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あすなろう鉄道 3.車両概見

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2015.08.09 線路端 三重 四日市あすなろう鉄道 内部・八王子線 車両


△ モ263の車体側面のようす [2015.07, 内部駅, 三重県四日市市]

近鉄から四日市あすなろう鉄道に引き継がれた車両は、モ260形制御電動車(モ261~モ265: 5両)、ク160形制御付随車(ク161~ク163: 3両)、ク110形制御付随車(ク114~ク115: 2両)、サ120形付随車(サ121~サ124: 4両)です。これらの車両は、モ260形、ク160形の比較的新しく新造されたグループと、ク110形、サ120形の少し古い改造車で構成されています。今回、四日市あすなろおう鉄道を訪問した時には、つぎのような編成で運行されていました。

四日市あすなろう鉄道の車両と編成(2015.07.30)
・ モ263p + サ122g + ク114g (内部線)
・ モ265o + サ121p + ク163o (内部線)
・ モ262g + サ124g + ク115y (八王子線)
・ モ264y + ク162b (内部車庫)
・ モ261 + サ123 + ク161 (不明)
車両番号末尾のアルファベットは塗装色を表します。
( p: 薄紫、g: 淡緑、o: オレンジ、y: 薄黄、b: 水色 )


あすなろう鉄道 3. 車両概見

△ モ265ほか [2015.07, 日永駅, 三重県四日市市]

△ ク163の運転台 [2015.07, 内部駅, 三重県四日市市]

制御電動車(モ260形)は全て四日市方に連結され、長さ約15mのノーシル・ノーヘッダ車です。近鉄時代の1982~1983年に近畿車両で新製された車両で、モ261~モ265の5両が在籍します。同じ時期に新製されたのが、内部・八王子方の制御付随車(ク160形、長さ15m級のノーシル・ノーヘッダ車)で、ク161~ク163の3両が在籍します。この新製時に、三重交通時代に新造した車両のうち比較的車歴の浅いものを改造して編成替えに使用したため、制御付随車(ク110形)と中間の付随車(サ120形)に比較的古い車両が使われています。

■ ウィンドウ・シル、ウィンドウ・ヘッダとノーシル・ノーヘッダ
木造建築でいうウィンドウ・シル(window sill)は窓の下にある横木、ウィンドウ・ヘッダ(window header)は窓の上にある横木をさし、それぞれ窓の重さを受けて下の部材に均一に重さを伝える、窓に直接重さが伝わらないようにするほか、窓によって壁の部分が弱くならないよう補強する役目を果たすのだそうです。
鉄道では窓が連続するためか横木も連続的になり、ウィンドウ・シルは窓の下にある横木、あるいは窓下の外板に溶接された帯状の横板のこと、ウィンドウ・ヘッダは窓上にある同様のものを指します。車体が木造か鉄の外板を張っていた時代には、窓周りの強度が不足するためこれらの部材を付けて車体を補強していましたが、次第に使われなくなり今では見かけることが少なくなりました。
ウィンドウ・シル、ウィンドウ・ヘッダのない車両をノーシル・ノーヘッダの車両とよぶことがあります。時代はウィンドウ・シル、ヘッダ有から無(ノーシル・ノーヘッダ)へと移行しますが、その中間では後ほど紹介する三重交通サ130形(四日市あすなろう鉄道ク110形)のように、ウィンドウ・シルだけを持った車両などが登場します。
古い木造客車 (頸城鉄道、ハ6) の写真はこちら


△ 短いク114を末尾に四日市へ向かう列車 [2015.07, 内部駅, 三重県四日市市]
△ 長さ11m級のク115、側面から [2015.07, 西日野駅, 三重県四日市市]

ク110形(ク114、ク115)は、1954年製の三重交通サ130形(サ131、サ133)を改造した11m級の制御付随車です。改造に際してモ260形やク160形と同等の運転台を取り付け内装を交換、非運転台側に貫通ドアを設置し台車やブレーキ装置も変更して自動ドア化するなど大規模な改造が行われましたが、いわゆるバス窓を残す窓の形状や配置、窓下のウシンドウ・シルに面影を残しています。


△ サ122中間車 [2015.07, あすなろう四日市駅, 三重県四日市市]
△ サ122室内のようす [2015.07, 内部駅, 三重県四日市市]

サ120形のうちサ121~サ123は、1949年製のモニ220形(モニ227~モニ229)の電装を解除して大規模な更新工事を実施のうえ、中間車に組み入れられました。このグループの側面外板にはウィンドウ・シル及びウィンドウ・ヘッダーが残存します。
一方、サ124は、サ130形の中でク110形への改造が行われなかったサ132を、付随車のまま中間車として改造・組み入れた車両で、ウィンドウ・シルだけがあり側面の窓形状はク110形に類似します。この日、モ262+サ124+ク115の編成が八王子線を走っており、窓の形状からサ124とク115が同じ種車からの改造であることが見てとれました。下の写真をご覧ください

△ ク115 + サ124 + モ262 の編成 [2015.07, 日永駅, 三重県四日市市]