ここ恵比島駅とその周辺は、1999年に放送されたNHK連続テレビ小説「すずらん」のロケ地となった場所です。主人公「萌」が炭鉱をひかえた小さな駅「明日萌」で駅長に拾われ逆境を乗り越えて生きてゆく物語で、その明日萌駅に恵比島駅が選ばれました。ロケのため、待合室として緩急車がぽつんと置かれただけになっていた恵比島駅に、昭和初期の木造駅舎が再現されました。
明日萌は架空の地名で、アイヌ語のアシリ・モイ(新しい淀み・新しい淵)に由来するそうです。
もともと有った緩急車の待合室は、板材で覆われて印象が変わりました。
ドラマが放送されてから15年が経ちますが、明日萌駅や中村旅館などの昭和レトロなロケセットは現在も残されていて、それを見に訪れる人も少なくありません。
中村旅館では「農民カフェ」が営業中でした。
今回の訪問ではあまり滞在時間が取れませんでしたが、昭和炭鉱とを結んでいた旧留萌鉄道のこと、今に続く露天掘り石炭の貯炭場、朝の連続テレビ小説のロケ地、そして近い将来起こるかもしれない鉄道廃止の話など、留萌地方の変遷とともにあり続ける小さな駅を想いつつ、農民カフェで軽食や飲み物と一緒にゆっくり流れる時間を楽しむのもわるくないと思いました。