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草原読書会 2. 朝のハイキング-羊男のいる小屋まで-
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△ ファームイン・トント
立派な白樺林の前にポツンと建つファームイン・トント、仁宇布でたった1件の宿です。そこでいただける生ホゲットのジンギスカンは、それだけでも遠くから食べに行く価値があると思います。ご主人と奥様の気の利いた会話も魅力な、小さな宿です。
△ マザーツリー
仁宇布にある白樺樹皮細工の会社です。
2014年6月21日道北の美深町仁宇布で、今年の1月にこのページで紹介した村上春樹の作品「羊をめぐる冒険」を聴く草原朗読会が開催されました。会場となったファームイン・トント前の草原では、毛を刈られて間もない少し痩せた羊たちが草を食んでいました。
朗読会の10日ほど前、1枚の羊の写真とともにツアーの案内状が美深町観光協会から送られてきました。同封されたカードは『一枚の写真を同封する。羊の写真だ。』から始まる『冒険』を予感させます。
草原朗読会では、村上春樹著「羊をめぐる冒険」を東京で俳優をされている藤井宏次さんが朗読しました。朗読会を企画した中川紘司さんは、仲間と東京でソフトウェア会社を経営する、大好きな作品が「羊をめぐる冒険」というハルキストだそうです。中川さんは「羊をめぐる冒険」に登場するさまざまな記述が仁宇布の状況に似ていることを知って以来、この地に足しげく通うとともにファームイン・トントに村上春樹文庫を開設し、草原朗読会を開催してきました。そして、今回は5度目の朗読会となります。
白樺の新緑がきれいなファームイン・トント前の牧草地。時折り小雨が降ってきましたが暑くも寒くもなく、ゆっくりと村上春樹の朗読を楽しむには絶好の天気だったように思います。トントのテラスに絡んだマタタビは、ちょうど花の盛りをむかえていました。
会場では岡田敦さんの美深の絵葉書と村上春樹著「ノルウェーの森」ゆかりの写真集も売られていました。そういえば美深町の観光協会から送られてきた絵葉書も、岡田敦さんの作品「Bifuka」シリーズの一枚でした。その葉書「Bifuka No.01」は、なだらかな山の尾根を背景にして羊たちが群れている、景色全体を青い光がつつむ印象的な作品です。想わず背中に星のある羊を探してしまいそうになれば、それこそ企画者の思う壺。
はまるもよし。現実の仁宇布に流れる魅力的な時を求めて、あなた自身の旅をするもよし。